夏目血風録

第20話

2013年9月24日(火) 掲載全32話中 20話目

前回は9月21日00:17参照

今まで一人旅の経験は全くなかった。
それもあって、とても楽しみだった。

今回、名古屋をススメてくれた親友の田吾作。
実は彼は高校時代にヒッチハイクで静岡から京都まで旅をしたことがある。
彼曰く、先の見えない旅はとても刺激的で楽しかったとのこと。
そんな話を聞いていたら余計期待が大きくなっていった。

そして、いよいよ出発の日。

さすがに見知らぬ土地に向かうので、徒歩移動が便利と思い、新幹線で名古屋
を目指すことにした。西日本に向かうのは修学旅行で京都に行った時以来だ。
新幹線料金が高いと思いつつも、普通列車での旅は嫌だったのでしぶしぶ新幹線の切符を購入した。

旅は快適で、自分の知らない駅名がアナウンスされる毎に景色を眺め、心が踊った。

2時間も経たないうちに名古屋駅に到着し、駅を降りると東京とまではいかな
いが、栄えた街並みが目の前に広がり、デカデカとイチロー選手の広告も貼られていた。

名古屋に来たのは人生で2回目。
小学生の頃に家族で旅行に行ったことがあるが、ほとんど覚えていなかった。

とりあえず、駅前をうろうろしているとパチンコ屋を発見し早速入店した。
ほとんど客がいなかったが、その中でキングオブマウスという大量獲得機が鬼の如く出ていた。

残念ながら当時の俺はこの台がハイエナ仕様という事にすら気づいておらず、
その光景を見て名古屋は出ると勝手に勘違いしていた。

そんな事がありながらも、俺には観光したい場所があっ た。

それは「名古屋城」。

名古屋駅から歩いていける距離にあり、有名だったので 見ておけば損はないだ
ろうと思っていた。

下調べもせず、看板を頼りに名古屋城を目指した。
元々、歩くことは好きだったので徒歩での移動には慣れていた。

そんな最中、また気になるパチンコ屋を見つけてしまった。
その店は高速道路沿いにあり、名古屋城まであと少しの距離にあった。

店内には至る所に設定を示唆する札が刺さっていた。
今までの環境でも札はあったのだが、見知らぬ土地での札は一気にテンションがあ
がった!

「ちょっとだけ打とう」と北斗の拳SEに着席。
札が刺さっていた事もあったが、とにかく打ちたかった。

そして、気がつけば夢中になって…。
見事に負けた!!

外に出ると既に太陽は沈んでいた。
急いで、本来の目的の名古屋城に向かったが、既に営業時間はとっくに過ぎていた。

「名古屋まで来て何やっているんだ俺は!!」

パチスロに夢中になり一日が終わってしまったのだ。
さらに負けたことも加わり、自責の念で頭がおかしくなりそうだった。

とはいえ、移動する電車もないので、今日は名古屋に泊まらなければならない。
事前に予約もしていなかったが、ネカフェに泊まるという考えはなかったので、
結局、名古屋城付近のビジネスホテルに宿泊する事にした。

ビジネスホテルに泊まる事は初めてだったので、少し大人になった気がした。

しかし、パチスロに夢中になり観光ができなかったショックは大きかった…。

明日は絶対に観光するっ!

そう心に決めて就寝したのだった。

…つづく。

出典: パチマガスロマガ「決死のパチスロサバイバル日本縦断編5」内の不定期連載「夏目血風録」(2013年9月24日(火) 掲載)。 本文は当時の掲載どおりで、書き換えていません。