前回は8月19日22:36参照
俺の住んでいた葛西という街は素敵な街だった。
アパートの近くに銭湯もあったし、24時間営業のスーパーもあり、自炊をしながら一人暮らしを満喫していた。
そして前回話した、映画製作もいよいよ始動した。
年の功なのか30歳の監督が主導権を握っており、ホストを題材にした映画を撮ることになった。
自分も俳優として出演することになり、チームには俺を含めて俳優専攻は3人。
1人は原口あきまさ似の好青年。
もう1人は、いわゆるアキバ系な人。
自主製作とは言え、映画に出られるのは嬉しく胸を膨らませているとある日、監督からとんでもない指令が下った…。
監督(以下、監)「おい、夏目。来週の土曜日、ホストの勉強をするから空けとけよ」
夏目(以下、夏)「え、勉強ですか? 俺、夜王一応読んでますよ!」
監「ばーか、実際にホストとして働くんだよっ!」
夏「えええええ!」
なんと!!
監督の提案で実際にホストクラブに体験入店しろという話だった。右も左も分からなかった俺は、それはもう馬鹿正直に対応した。
夏「たしかに実際に経験した方がいい演技ができそうっすね。場所はどこですか?」
監「ん? 歌舞伎町だよ!」
夏「ええっ、さすがにいきなりハードル高すぎ…。無理ですよ」
監「無理じゃねーよ。今度の土曜日迎え行くから準備しとけよ」
夏「……はい」
こうして弱冠18歳にして夜の世界に足を踏み入れる事になった夏目五郎であった。
つづく。
出典: パチマガスロマガ「決死のパチスロサバイバル日本縦断編5」内の不定期連載「夏目血風録」(2013年8月29日(木) 掲載)。 本文は当時の掲載どおりで、書き換えていません。