夏目血風録

第8話

2013年7月2日(火) 掲載全32話中 8話目

前回は6月25日21:31参照

パチスロをしながらも焼肉屋のバイトはほぼ休みなしで続けていた。
仕事内容はほとんど把握していたので働きやすかった。

素敵なバイトに見えるが、正直人間関係はめんどくさかった。派閥みたいなものがあったり、挙げ句の果てに店長が横領でクビになったり…。

そんな中、新店長が就任する。

この店長、生粋のスロッターで、すぐに仲良くなる事ができた。

ある時、店長が言った
「だいちん~(バイトでの俺のあだ名)、アラジンエースはマジでやばかったんよ~」
パチスロの話になると鉄板でアラチャンについてアツく語り出すのだ(笑)。

正直、何を言ってるか全くわからなかったが、2万枚勝っただの、閉店までコインが出っぱなしだったなどと言っていた。
さすがにとんでもないモンスターマシンだということは分かった。

また、友達同士の会話でもアラジンエースやスーパービンゴは平気で2万枚や3万枚を吐き出していたとの噂は聞いていた。

そんな最中、アラジンエースの後継機『アラジン2エボリューション(通称アラエボ)』が導入された。

恐らく夏目五郎が人生で一番負けた機種。

当時、設定もPAYOUTも何もわからない自分は、そんなモンスターマシンの後継機ならば間違いなく勝てるとの結論に至った(笑)。
近所の店に20台導入され、新台初日に打つと…。

恐ろしいほど、何も起きないのだ!!

当たっても連チャンすることはなく、あっという間に諭吉がサンドに吸い込まれていった。

それもそのはず…
この機種は設定6以外は単チェリーやチャンス目を引いたところで高確率にはほぼ移行しない鬼仕様。
しかし、薄い所を引いて高確率ロングやスーパーに入れれば低設定でも大爆発、いった仕様だ。

アラジンエースの後継機だし、いつか爆発するっ!!
と金を注ぎ込み続けた結果…。

2006年2月、夏目青年はパンクする…。

そんな中、そのアラエボでかなり稼いでる友達がいた!

彼の名は「エビス丸」。
名の由来はエビスというブランドの服をよく着ているから。

以前紹介した田吾作と同じく幼なじみで、3人一緒にパチスロを打つことも多かった。

彼は、簡単に高確ロングや高確スーパーにブチ込み尋常じゃないほど勝っていた!
今考えれば、立ち回りも何もなくヒキだけで勝っていたような気がするが…。

そこで、金のない俺が取った行動は…。
エビス丸のそばにいれば、「パチスロを打つ金を貰えるんじゃないかっ!?」
という最低な考えだった(笑)。

エビス丸もエビス丸で移動手段がなかったので、俺を足として利用する事も多かった(笑)。

彼の性格は、典型的な気分屋。
さらに少林寺や柔道をしていたので腕っぷしも強く、何より天真爛漫だった。
そして、財布の紐は固かった←これ重要。

それもあり、夏目青年は彼の金でパチスロを打つことはできなかった。いや、当然だが。

そんなある日、エビス丸に「東京に行くから土地勘のある夏目に着いてきて欲しい」と言われた。

しかも、交通費も出すという条件!

こうして2006年2月。パンク状態の夏目青年はエビス丸と共に大都会東京に行くことになったのだった。

…つづく。

出典: パチマガスロマガ「決死のパチスロサバイバル日本縦断編5」内の不定期連載「夏目血風録」(2013年7月2日(火) 掲載)。 本文は当時の掲載どおりで、書き換えていません。