僕の昔話の中で、一番かっこ悪い時期の話をします。旅打ちで結果を出した直後の、パチスロライター暗黒時代です。
独立したいと相談したら「それはダメだ」と言われて、代わりに出てきたのが旅打ちの企画でした。ダメと言われたものの、1年間の旅打ちなんてなかなかできることじゃない。とりあえずやってみようと、あまり深く考えずに飛び込んだところからこの話は始まります。そのせいで、当時通っていたネットビジネスの塾とは疎遠になって、僕はいったんその業界から離れることになりました。
旅打ちがうまくいった理由は、自分の中ではすごくシンプルです。それだけに集中できたから。当時の僕には、承認されたい、認められたいという気持ちがあって、収支を記録として残せば、世間に自分の生きた証を証明できる。それが原動力だったんですよ。「お金のためにやったんですか」と思われるかもしれないですけど、そうじゃなくて、本当に自分の生きた証を証明するというだけ。毎日毎日、365日パチンコとスロットの実戦と収支を上げ続けるというのは、本当にそのためだけにやりました。
結果、650万勝ちました。なんで全国を回ってそれだけ勝てたかというと、それまでに「パチスロで勝つためだったら何をやってもいい」という価値観が完成していたからだと思います。僕がそれまで稼働していたのはレベルの高い地域で、うまい打ち手に台を取られまくっていた。そういう一流の環境で揉まれてきた人間が地方に行くと、ライバルの層が全然違う。だからあれだけの結果が出たんだと思います。
さあ、すごい記録を残した。これで人気が出て、ライターとして食っていけるのかな。そう思っていました。現実は逆でした。
終わった後、全然お金がもらえないんですよ。最初に報酬の話をされた時、単価が安すぎて、ずっとバイトみたいな給料。「そんな設定なら追い込んでやりたくないです」と言って何倍もの金額を提示したら、それはできないと断られる。じゃあ自分で稼ぐしかないと、勝つためなら何でもやるマインドセットのまま、ノリ打ちや軍団的なことをやり出しました。そうしたらどうなったか。「知名度があるから」という理由で、ノリ打ちやグループ稼働をするなという誓約書みたいなものを書かされるんです。ピンで打てと。そんなの守るわけないじゃないですか。稼げない給料で縛るだけ縛られて。
動画に出ても、つまらないんですよ。やらせ感というか、自分の中でパチスロで勝つことを全然伝えられない茶番というか。そうこうしているうちに動画にも出してもらえなくなって、実績だけ残して落ちぶれている、みたいな状態になりました。
スロット自体では勝っていました。雑誌に載せていた収支は本当です。新小岩で、家から5分10分の店で毎日稼働して、月単位でしっかり勝つ。でも、全然楽しくない。軽く鬱みたいになりました。なんで楽しくなかったか。「パチスロライターなのに、なんで俺はこんな普通のスロットを打つ生活をしてるんだ」というのがすごくあったんですね。プロになりたくてやってきて、その生活はもう何年も経験した。やり切った感があった。楽して稼いで自由になりたくてネットビジネスを志したはずなのに、全然そこに向かっていない。これはまずいなと。
それでライターを頑張り直そうとしたんですけど、業界に仕事がない。問題も起こしてるから依頼も来ない。じゃあネットビジネスに戻ろうと、コンサルを受けて、リストの作り方を教わって、起業に向けて準備を始めました。いろんな人に会う中で、雇われはダメだなというのがはっきり見えてくる。でも同時に悔しいんですよ。旅打ちであれだけ知名度を上げたのに、なんでこんなに落ちぶれてるんだと。その悔しさで、東京で自分の稼働を見せるガチ実戦をやり出して、自分でやれるんだなと思えるようになっていきました。そして2016年、ライターを辞めて独立します。
今、この時期を振り返ると、うまくいかなかった理由がはっきり分かります。お手本にする人がいなかったんですよ。スロットがうまくなった時期は、まさに手本にする人がいた。逆に、結果を出している人に会えなかった時期は、ずっと遠回りしている。当時はYouTubeも流行っていなくて、自分がなりたい姿の人の情報に触れる機会すらなかった。人生の重要なポイントって、コツさえ掴めばめちゃ簡単なんですよね。僕の場合、時間がかかった理由は、結果を出している人に会えなかったこと。ほぼそこだけだと思います。
記事内Q&A
Q. 650万勝った直後なのに、なんでお金に困るんですか?
A. 勝った収支と僕の報酬は別だからです。記録は雑誌のものになって、僕にはバイト並みの単価しか残らなかった。実績と収入は自動ではつながらない、というのを僕はここで身をもって学びました。だから後年、自分の名前で発信することにこだわるようになったんです。
Q. 毎月勝ってたのに鬱っぽくなるって贅沢では?
A. 当時の僕もそう思おうとしました。でも、目標を失った状態で得意なことだけ繰り返す生活は、収支がプラスでも心はマイナスになります。勝てるかどうかと、進んでいる感覚があるかどうかは別物なんですよ。
Q. 暗黒時代を一言で言うと敗因は何ですか?
A. お手本の不在です。手本がいた時期の僕は強くて、いなかった時期は遠回りばかり。だから僕は今でも、何かを始めるならまず結果を出している人に会いに行くことを最優先にしています。